chamoxの日記

アラサー総合職共働き女の日常をつぶやいています

「レインツリーの国(有川浩)」感想

前回読んだ「パラレルワールド・ラブストーリー」がラブストーリーとして全く楽しめなかった鬱憤を晴らすべく、有川浩さんの「レインツリーの国」を読むことにしました。


有川浩さんの本は、「図書館戦争」等、巷で大人気だと思いますが、どういうわけか今まで読む機会がありませんでした(気付いたらめちゃくちゃ流行っていてついていけなかった)。「阪急電車」は人に借りて読んだことがあったような…?でも正直あまり記憶に残っていませんでした。

ですが、ネットで「胸キュンできる小説ランキング」と検索するとこの作品が必ずランクインしているのもあり、読んでみることにしました。角川文庫の帯にも「恋愛小説1位」という言葉が堂々と書かれており、否が応でも期待が高まります。


結論から言うと……

まさしく‼️‼️‼️これが私の求めていた恋愛小説でした‼️‼️‼️


あらすじは結構シンプルで、とある一冊の本をきっかけにメールをやり取りするようになった男女が徐々に距離を縮めていく、というお話です。日常を描いた話ながらも、やはりラブストーリーならではの恋を阻む壁が存在するのですが、それを2人で乗り越えていく様がとてもピュアで心温まりまるんです😊  


私は、恋愛小説にしろ、漫画にしろ、胸キュンするための条件として、主人公への共感が欠かせないと思っています。この作品は女の子の方の気持ちも、男の子の気持ちも両方共感できて、だからこそじれったくて胸がうずきました。  このじれったい感じが味わいたくて、恋愛小説を読むと言っても過言ではありません。


この作品は主人公同士のメールのやり取りが多いのですが、そのやり取りもまた、嘘くさすぎず、かと言って生々しすぎず、その塩梅が絶妙でした! 2人の恋を阻む「壁」というのは、少し特殊な事情ではありますが(少なくとも今のところ私自身にはあまり縁がない)、有川浩さん自身も後書きで語っている通り、あくまでもそれは2人の状況の違い、意識の違いであって、多かれ少なかれカップルなら起こりうる意識の差なのだと感じました。例えば金銭感覚の違い、家族観の違い、倫理観の違い…乗り越えられずに破局することもあるでしょうが、2人が歩み寄って理解し合えた先には素晴らしい関係が築けるんだと思わされました。そういう普遍的なテーマをベースにした恋愛小説だからこそ、主人公が特殊な状況であっても読者が共感できるんだと思いました。

そういえば私も夫と付き合いたての頃は感覚の違いでよく揉めて、結婚後の今でもよく喧嘩してしまいますが(するんかい)、愛あればこそ互いを理解し合いたいと思うんですね(照)



作品の感想に戻りますが、主人公の男の子がすごく良い子で、カッコいいのがツボでした!これは恋愛小説で大事なポイントですよね!

前向きだし、器が大きいし…

女の子の頑なな所を広い心で受け止めてくれる最高の男性です。しかも途中可愛い系代表のような同僚に誘惑されるのですがそれすらも爽やかに断る誠実さ! 

女の子の方も、意固地になったり素直になれないのには上記の事情があって、その気持ちが痛い程分かるので、2人の恋を応援せずにはいられなくなります。


途中、切なさに涙しましたが(涙腺がどんどんゆるくなる今日この頃…)、最後はハッピーエンドなので安心して読めます❣️

読後感も良くて、終始好感が持てるお話でした。心をリフレッシュしたい時、また読み返したいなと思います。


そしてこれから有川浩さんの本を色々読むのが楽しみになりました!